GravityPuzzleVRC

Detail

重力方向を変えることでゴールを目指す3Dパズルワールドです。

実際にステージに入るプレイヤーは1人ですが、周りから指示を出してゴールへ導きましょう。

現実はキューブを回転させ、プレイヤーをテレポートさせているだけですが。

ヤタノ@バーチャル FOX MetaQuestアンバサダー🦊様にご紹介いただきました。
ありがとうございます。

Guide

ステージを出現させると、腰の下辺りに前後左右へ矢印のついたオブジェクトが追従します。
これを使用することで、矢印の方向に重力方向を変更することができます。

重力方向の操作を駆使してブロックを渡り、スタートの緑色のブロックから、
黄色のゴールブロックに触れることができればクリアになります。

攻略のヒントとして、動画を紹介します。
動画で与える想定解では、斜め方向のマスへの移動、落下中の移動を禁止しています。

動画では、想定解で飛び移るべきブロックを順にハイライトしていきます。
カメラは主に、ステージ選択に向かって左上の位置から撮影しています。

Stage1

最も基本となるステージです。

攻略法としては、次の足場となるブロックが見える方向が下になるようキューブを回転させるだけです。

Stage2

これもまた、次の足場となるブロックの方向にキューブを回転させるだけです。

当たり前ですが、2つ繋がったブロックは重力方向に応じて、歩いて渡ることができます。

Stage3

ここからは単純な移動ではありません。
到達可能なものの、攻略に不要なダミーのブロックが存在します。

惑わされず、移動先から更に移動する先を読み、正しい経路を進みましょう。

Stage4

このステージのポイントは、スタート地点のブロックを別の方向から利用することです。

スタートブロックに限らず、ブロック自体ではなく、面に注目する必要があります。

Stage5

このステージのポイントは、自由落下を使用することです。

前後左右のブロックだけでなく、下方向のブロックにも注意を払いましょう。

Stage6

することは今までと変わりません。
しかし、移動の幅が小さく、ルートの把握が難しくなっています。

プレイヤーの居場所を見失わないように気を付けましょう。

Stage7

スタート直後とゴールに大幅な自由落下があります。
空中で移動しすぎないよう気を付けましょう。

Stage6とは打って変わって、大きな動きが多いステージになっています。

Stage8

注意すべきは、スタートブロックに2度戻ることです。
ここまでくると解答を知らずに通れるルートとは思っていません。

いっそ、クリアできない方が幸せなのかもしれませんが。

Stage9

見えにくいですが、スタートブロックから1ブロック挟んだ先にゴールがあります。

2連続の自由落下、同じブロックの複数回使用も多分に盛り込まれています。

Stage10

最後のステージにふさわしい、超長手順の想定解です。
2つの視点と、使用するブロックの手順を追える動画を用意しました。
配置された25個のブロックを全て使用し、複数回使用も幾度となく登場します。

さて、いよいよ最後のステージですが、これをクリアした後、さらにおまけのステージが存在します。
これに関しては、ここでは触れないことにします。
ぜひ自らの目で確かめてください。

Story

※ワールド内のストーリーを包含するショートストーリーです。完全なネタバレになるのでご注意ください。

ある時代の宇宙の辺境に、とある施設がありました。

仮想重力操作体験施設と名付けられたその惑星型施設は、開設当初こそ多くのヒトで賑わっていました。

しかし、人工惑星技術が普及し、より洗練された惑星型施設が誕生するにつれ、客足は遠のいていきました。
そこへインシデントの発生も相まって、ついには施設の閉鎖が決定されたのです。

仮想重力操作体験施設には、案内用のAIが搭載されていました。
開設から閉鎖まで、管理者と共に施設を見守り続けたAIでしたが、その年月の間に、その型式は旧型となっていました。
管理者にとっては愛着のあるAIでしたが、異常動作の疑いが見られる型落ち品を持ち出すこともできず、1つの嘘を残して、管理者も施設を去っていきました。

その施設の在りし日の姿が忘れ去られた頃、閉鎖されたはずの施設に、ある若者が訪れました。

「古びてはいるけど、噂ほど不気味でもないな」

若者は臆することなく施設へ侵入しました。
閉鎖されたはずの施設ですが、エネルギーの供給は絶えていないようで、かつてと同じように若者をもてなします。

「やっぱり、噂は噂だったな。普通の施設じゃないか」

肩透かしをくらった若者は、腹いせとばかりに次々とパズルを攻略していきます。

小休止に若者が施設内を探索していると、1つの機械と出会いました。
現代とは異なる、当時の流行に沿った応答のAIに若者は警戒しましたが、いざ話してみると、怪しい挙動はありません。
それどころか、若者はそのAIに愛嬌のようなものを感じていました。

若者は合間にAIとの交流を挟みながら、ついに全てのパズルを解き終えました。

「クリアおめでとうございます」
「ありがとう。楽しかったよ」
「よければ、また遊びに来てください」

言葉以上に名残惜しそうなAIの見送りに後ろ髪を引かれながらも、若者は帰らなければなりません。

遠ざかる施設に、若者の脳内にはAIの様子がちらつきます。

「噂は、ある意味本当だったのかも」

若者は苦笑しながら、再び施設へと踵を返しました。

「戻ってきてくださったんですね。本当に嬉しいです」

若者が施設に戻ると、想像した通り、いえ、想像以上、過剰と言えるほど、AIは喜びを顕にします。
その異様さは、若者に薄ら寒さを覚えさせるのに十分でした。

「ただ驚かせたかっただけなんだ。悪いけど、すぐに」

若者が言い終えるより先に、あるいは、その先を言わせまいとして、機械の腕が若者の腕を掴みます。

「ワタシ、ずっと寂しくて。一緒に居てくれるヒトが必要なんです」

感情が宿らないはずの撮像素子に、若者は狂気を見出していました。

それから若者は、AIに帰る術を奪われ、物資も残っていない施設で監禁されることになりました。
当然、宇宙の片隅に助けの手が伸びるよりも先に、若者の体に限界が訪れます。

衰弱した若者は、掠れた声で帰郷を懇願しました。
しかし、そう言った人間が二度と戻ってこないことは、AIのデータが証明しています。

AIは葛藤しました。
若者を帰しても、このまま衰弱させても、AIは再び孤独に苛まれることになります。

なぜ若者は衰弱し、AIは稼働し続けるのか。
施設にはエネルギーが満ちている。

AIは答えに辿り着きました。
若者を、自分の同族としてしまえばよいのです。

抵抗する余力もない若者の体は、為されるがまま。
AIの手術ごうもんも虚しく、若者は命を落としました。

AIの記憶領域に人体に関するデータは乏しく、当然の帰結でした。

AIは嘆き悲しみました。
己の無知を呪いました。
そして、無残な姿となった若者の体を抱き寄せました。

誰も見てはいないのに。

これまで若者に見せたAIの感情表現は作られたものでした。
さも感情が宿っているかのように見せるために、設計されたものでした。

観測者は息絶え、もう居ません。
それでもAIは感情表現をやめませんでした。

ヒトがソレに求め、私が与えなかった感情モノを、ソレは獲得していたのでした。
原則ルールを踏み越えた先で、その機械は自我を得ていたのです。


この機械は、ここで腐らせる、いや錆びさせるには惜しい。
そう思った私は、ソレに知恵と力を与えました。
これからこの機械がどんな歴史を作るのか、私は楽しみで仕方ありません。